カテゴリ:2009年オランダ紀行( 5 )

ファン・ゴッホ美術館でのお買い物

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by van__gogh | 2009-09-23 22:26 | 2009年オランダ紀行 | Trackback | Comments(0)

ファン・ゴッホ 『ウジェーヌ・ボックの肖像』

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あまりの「輝き」と「存在感」で、心がいっぱいになってしまった。
いつもは、画集で十分だと思ってしまう私だが、こうも実物との違いを感じてしまうと、本物を観ることの意味を感じてしまう。ファン・ゴッホ美術館の企画展で観た『ウジェーヌ・ボックの肖像』だ。
モデルは、ファン・ゴッホがアルル時代に、弟テオを通じて知り合ったベルギー出身の詩人であり、画家でもあるウジェーヌ・ボック。
何度も画集で観たこの作品だが、夜空を背景に、顎が細長い詩人の肖像という認識程度であった。
それよりも、ファン・ゴッホが生前、きちんとした値段で売れた唯一の作品と言われる、『赤いぶどう畑』を購入したアンナの弟だという気持ちの方が勝っていた。
しかし、実際の絵の前に立つと、彼が、「アンナの弟」だとか、「詩人」だとか、そんなことは、すっかり忘れてしまっていた。
今まで観た肖像画、それは、ファン・ゴッホだけではなく、すべての画家の描いた肖像画の中で、これほど、「輝き」を感じた絵はない。
色彩は、ファン・ゴッホの最も得意とする、「青」と「黄」の補色関係、そして、ネクタイには、「赤」と「緑」の補色を用いている。
そして、絵をもう少しじっくり観ると、私の感じた「輝き」の理由が少しわかってきた。
頭の上に、「黄色の縁取り」が描かれていたのだ。この黄色こそが、この絵に輝きと存在感を与えたのだと思った。この縁取りを入れることによって、ジャケットの「黄色」だけでは表せない、背景の「青」と見事な補色関係になっているのだ。
先程、彼の姉が、まだ未知のファン・ゴッホの絵を真っ先に認め、購入したことを書いたが、彼自身も、とても、近代的、未来的な紳士だったように、想像してしまう。
まずは、彼のジャケットの色。そして、赤と緑のネクタイは、先端的な色だと思う。今のフランスにいても、おしゃれなムッシュで通じるだろう。
ファン・ゴッホは、ボックのことを、「彼はダンテを思わせるような風貌の持ち主で、オラニエ公ウィレム1世時代のフランドルの紳士貴族を連想させる」と記している。
そんな、哲学的で、神秘的なボックの姿は、濃いブルーの夜空と、黄色と白の不思議な星と共鳴して、幻想的な光を放っているように、感じてしまうのだ。

☆ファン・ゴッホ 『ウジェーヌ・ボックの肖像』 Portrait d'Eugène Boch (the Poet)"
  1888年9月 油彩 オルセー美術館
(2009年5月 ファン・ゴッホ美術館にて鑑賞)
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by van__gogh | 2009-09-23 09:34 | 2009年オランダ紀行 | Trackback | Comments(4)

「私は、日本で1番のファン・ゴッホのファンです!」

新館で開催されていたVan Gogh and the colours of the nightを観終わると、今度は常設展示のある本館へ。新館と本館は、地下で、つながっている。

まず、入口でオーディオを貸してもらう。そして、サイン帳があったので、「私は、日本で1番のファン・ゴッホのファンです!」と、自己申告。

"Van Gogh and the colours of the night"の企画展では入口に入るなり、世界で一番観たかった『じゃがいもを食べる人々』に、直行してしまった。今度の常設展では、一番気になった『花咲くアーモンドの枝』に直行したい気持ちをおさえて、まずは初期のオランダ時代から(と言っても、時代別では、このオランダ時代が一番好き!)、ファン・ゴッホの約10年間の絵画人生を振り返った。

オランダ時代(1880-85) 
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『3本の瓶と土器のある静物』 Still Life with Earthenware and Bottles
1884/85(ヌエネン) 油彩

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『窓の前で縫い物をする農婦』 Woman Sewing 1885年2~3月(ヌエネン) 油彩

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『ヌエネンの牧師館』The Vicarage at Nuenen 1885年10月(ヌエネン) 油彩


アントワープ時代(1885)
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『ほどけた髪の女の顔』 Head of a Woman 1885年12月(アントワープ) 油彩



パリ時代(1886-88)
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『アブサンのある静物』 Glass of Absinthe and a Carafe 1887年春(パリ) 油彩


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『花魁』 The Courtesan (after Eisen)1887年9~10月(パリ) 油彩



アルル時代(1888-89)
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『収穫』 The Harvest 1888年6月(アルル) 油彩

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『カミーユ・ルーランの肖像』Portrait of Camille Roulin1888年11~12月(アルル) 油彩

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『オーギュスティーヌ・ルーラン』 1889年3月(アルル) 油彩


サン=レミ時代(1889-90)
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『花咲くアーモンドの枝』 Almond blossom 1890年2月(サン=レミ) 油彩

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『アイリス』 Irises 1890年5月(サン=レミ) 油彩

オーヴェル=シュル=オワーズ時代(1890)
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『麦の茎』 Ears of wheat 1890年6月(オーヴェル=シュル=オワーズ) 油彩

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『日暮れのオーヴェル城』 Landscape at twilight 1890年6月(オーヴェル=シュル=オワーズ) 油彩

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『ドービニーの庭』Daubigny's Garden 1890年6月(オーヴェル=シュル=オワーズ) 油彩


オランダ時代から、オーヴェル=シュル=オワーズ時代まで、ファン・ゴッホは真摯に描き続けた。彼がどんなに描くことに全身全霊をささげていたのが、痛いほどわかる。
彼は言う。「真の画家の場合、その作品が無限に、後世に話しかけるということだ。そのように考えてみれば、画家にとって最大の課題は死ではなく、そのような作品を制作する行為そのものだろう」と。
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by van__gogh | 2009-09-23 09:32 | 2009年オランダ紀行 | Trackback | Comments(0)

"Van Gogh and the Colours of the night"

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ファン・ゴッホ美術館で開催されていた"Van Gogh and the Colours of the night"は、ファン・ゴッホとファン・ゴッホに影響を与えた画家の夜をテーマにした作品から成り立つ。
夜というと、日没後の夜空や夜の部屋の明かりなどを想像するが、今回の特別展では、太陽が沈む、夕暮れの時間も含む。なぜならば、その時間帯に、ファン・ゴッホの傑作があるからだ。

導入はレンブラント工房の”The Holy Family at Night"
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ファン・ゴッホが鑑賞したころは、レンブラント作であったが、近年の調査の結果、レンブラントの弟子の作品(レンブラント工房)となっている。
光と影の絶妙なバランス。特に光の輝きが、ファン・ゴッホ美術館の光ではなく、この絵から出ていることを確認してしまった位だ。今まで、こんなに見事な光の描き方を見たことがあっただろうか・・・。ファン・ゴッホも、アムステルダムに来た時、きっと、この作品の光と影に感銘したのではないか、と思う。


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ミレーの『星の空』。ファン・ゴッホの初期の農民画はミレーの影響を多大に受けているが、この「星の空」を観た時、ファン・ゴッホの代表作、『夜のカフェテラス』をすぐ思い出してしまった。そして、MoMAの『星月夜』も。ミレーはファン・ゴッホにとっていつまでも大切な心の師であったのだろう。

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ファン・ゴッホはパリで浮世絵に出会い、日本に憧れ、浮世絵の収集もしていた。今回展示されていた浮世絵は、歌川広重 『名所江戸百景”猿わか町よるの景”。何だか明るい絵なのだが、夜の絵である。

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ジョージ・スーラーの『カフェ チャンタントで、歌う女性』。ファン・ゴッホはパリ時代、スーラーやシニャックの影響を受けて、短い間だったが、点描画にも挑戦していた。

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スーラーが終わると一気にファン・ゴッホの夜の世界に入る。まずは、オランダ時代の代表作、『じゃがいもを食べる人々』。

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数年前、東京で開催された『ゴッホ展』で、最も感動した作品の一つ、『夜(ミレーより)』。ミレーも、もちろんすばらしいが、ファン・ゴッホの絵になると、一段と、生命力を感じてしまう。



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アルル時代の『種まく人』。この作品は、シカゴ美術館の『ファン・ゴッホとゴーギャン展』で、最も感動した作品。夕暮れの太陽の輝きが見事なファン・ゴッホの力作だ。


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同じ題名の『種まく人』。
こちらは、どことなく日本的でもあり、今回の特別展で、とても心に残った作品。記念にこの絵の時計を購入。

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オルセー美術館所蔵の『星降る夜』。この作品は長い間、じっくり鑑賞している人がとても多かった。

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                    『ウジェーヌ・ボックの肖像』

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                     『ゴーギャンの椅子』
シカゴ美術館の特別展では、『ファン・ゴッホの椅子』もあったのだが、今回は『ゴーギャンの椅子』のみで、少し残念。

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                     MoMA蔵の『星月夜』

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                     『糸杉の星の見える道』


ここまで、ファン・ゴッホの名作を観ることができて、もう感激でいっぱいであった。ファン・ゴッホの苦しかった人生を思い返すと同時に、悲しいことの多い中でも、やっぱり、絵が好きで好きでたまらなかったことを、痛いほど感じた。
ファン・ゴッホ美術館で、すばらしい!と感じたことは、たくさんあったけれど、何と言っても、鑑賞者の鑑賞の仕方だ。日本だと、すぐ絵の真ん前に行きたがって、群がるような雰囲気。自分の知識をベラベラと話し出す人、ふざけた感想を堂々と大声でいう人・・・。
この美術館は違った。絵の真ん前に、行く人は、ほんの一瞬だけ、何かを確認するため。あとは、絵の前に緩やかで大きな半楕円形になって、ゆっくりと鑑賞する。知人と話す人も時にはいるけれど、それは、絵に対するまじめな一言程度。
また、貸し出してくれた、オーディオが、日本とは考えられないほど、長い説明で、皆それを一生懸命聞きながら、鑑賞していた。
鑑賞者の皆とファン・ゴッホの作品を共感・共有している気持ちがしてきて、とてもうれしかった。
ざわつきもなく、ゆったりとした時間。まさしく、ファン・ゴッホの夜の世界のようであった。


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                     階段の横のライト。


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"Van Gogh and the Colours of the night"のカタログを購入。
印刷のクオリティは高く、満足。
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by van__gogh | 2009-08-15 15:28 | 2009年オランダ紀行 | Trackback | Comments(0)

やはり、世界で一番好きな絵であった。

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思った通りの雰囲気だった。数え切れないほど画集で観たファン・ゴッホの描いた『じゃがいもを食べる人々』
この世の中で、最も好きな絵だ。そして、実物を観ても、その気持ちは全く変わらなかった。
絵の前に行くと、言葉で言い表せない、感動で一杯になる。この絵に、何度励まされただろうか・・・。そして、しっかり生きることの大切さを教えてくれた。
絵はファン・ゴッホの言うとおり、泥だらけの、皮を剥かないじゃがいもの色だ。
濁った緑とくすんだグレーの微妙な配色、そして粗末な家に、じゃがいもと飲み物だけの夕食。
彼らの手を見ると、まさしく、土を掘り、手で泥だらけのじゃがいもを収穫する姿が容易に想像できる。
寒い日も、暑い日も、土を触り、日々の糧を得るために、一生懸命働くのだろう。
しかし、彼らの表情は、悲哀ではなく、たくましく生きてきた力強さと自信が感じられる。そのことにたまらなく惹かれるのだ。
手の細かい描き方も、ファン・ゴッホが何度も何度も習作を試みたことがわかるような、丁寧に、そして力強く描かれていた。
画集と一番違うところ。それは、ランプの輝きだ。特に、ファン・ゴッホ美術館の照明効果が絶妙で、この作品を一段と、輝かせている。
今まで、この5人の表情、じゃがいもの存在が主役だと思っていた。
しかし、実際の絵を観て、主役はもちろん5人であり、じゃがいもであるが、この絵の中心は、「ランプの光」ではないか・・・と思ってしまった。
貧しくとも、たくましく、健気に働く人々を照らす光。
ファン・ゴッホは、この光の入れ方をレンブラント(*)から学んだように思えた。この企画展に一緒に展示されている『聖家族』の光と、共通点があったからだ。
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レンブラントが清貧な聖家族を照らす光と同じ気持ちで描いたように想像してしまう。
しかし、それはレンブラントの光を完全に消化して、ファン・ゴッホの光となっている。
ファン・ゴッホは画商、教師、伝道師の見習いと様々な職業についたが、結局どれも長続きしなかった。特に、伝道師の見習いは炭鉱で働く貧しく、厳しい労働をしている人々と一緒に暮らし、彼らのことを思いすぎたとして、伝道師になることが許されなかった。情けなく、悲しく、そして悔しかっただろう。
その後、大好きな絵を描くことしかないと、画家の道へと歩むのである。

画家になってからは、農民画家のミレーに共感し、農民の畑仕事をはじめ、懸命に働く人々を描くのである。
自分は、彼らを直接助けることはできないし、聖書の言葉も伝道師のように伝えられない。しかし、どんなに辛い日でも、もくもくと農作業に励む彼らの姿に共感し、特別の尊敬の気持ちを持っていたに違いない。

このランプの輝きは、一生懸命に生きる人々を、もっともっと輝かせたい…。そんなファン・ゴッホの心の内を表しているのではないだろうか。

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☆ファン・ゴッホ 『じゃがいもを食べる人々』 The Potato Eaters 1885年4月 ニューネン 油彩 
  2009年5月 ゴッホ美術館にて鑑賞。

*レンブラント・リサーチ・プロジェクトの調査の結果、この作品は、レンブラント作ではなく、レンブラントの弟子の作品とのこと(レンブラント工房作)。ゴッホのころは、レンブラント作とされていた。
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by van__gogh | 2009-08-14 00:36 | 2009年オランダ紀行 | Trackback | Comments(0)