カテゴリ:MoMA( 3 )

キャー!!ゴッホの特別展が・・・

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MoMAのウェブサイトを見ていたら、来年の9月21日から、2009年の1月4日まで、”Van Gogh at Night”の特別展が開催されるとのこと。もしかして、世界で一番好きなあの作品が来るかも。ネロ少年のように、世界で一番好きな絵、観たかった絵の前で死ねたら(周りには大迷惑な話)という位、あの作品が好き。
その前に2月13日ー6月7日まで本家のゴッホ美術館で、同じ特別展が開催される模様。
ゴッホ美術館とMoMAの共同企画だったら、すばらしい作品が集まることは、間違いなし!
日本ではないけれど、やっぱりゴッホ展が開催されることは、うれしいニュース。

このブログにいらしてくださった皆様。ゴッホ好きでも、ゴッホが普通でも、いま一つでも・・・
ありがとうございます!皆様にとって、来年が一段と素敵な年でありますように・・・。
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by van__gogh | 2007-12-31 17:42 | MoMA | Trackback | Comments(0)

スーラーのデッサン

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スーラー(1859-91)というと、あの点描はすごいと思っていたけれど、好きでも嫌いでもない。。。ただ技術的に、発想的にすばらしい!というだけだった。でも、彼のデッサンを観て、私の気持ちは全く変わってしまった。他の画家には表せない、彼独自のメッセージがあるからだ。
彼がデッザンに力を入れたのが、1882-83年。まだ点描画を発表する前である。
MoMAにある彼の『”コンセール・ヨーロピアン”にて』を観てみよう

私がスーラーのデッザンに出会う前は、デッサン=線描と思っていた。正しい線を描き、線のみですべてを表現してしまう。じわじわとした感動ではなく、パーンと入ってくる直接的な感じ。
だから、スーラーのデッサンを観た時は、驚きでいっぱいだった。鋭い線ではなく、ぼかしによって、優しさと和みを与え、鑑賞者に静かに語りかけてくれる。
前面の優雅な4人の女性のうち、髪の毛をアップした右2人の女性と左の女性の帽子の大きさは印象的だ。自分たちの階層を強調するためなのかもしれない。しかし、後ろにいる人たちにとっては、とても迷惑だ。
そんな自己満足な人びとに、色彩・華美を与えず、黒と白のぼかしで表すスーラーはなかなかだと思う。
デッザンを日本語では「素描」「下絵」と言う。まさに、画家のその時の真の気持ちを示すものと言えるだろう。
この作品は、当時のパリの夜の華やかさと悲しさを表した、見事な瞬間だ。

☆ジョルジュ・スーラー 『”コンセール・ヨーロピアン”にて』 紙にコンテ・クレヨンとグアッシュ
  ニューヨーク近代美術館
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by van__gogh | 2007-12-31 11:57 | MoMA | Trackback | Comments(0)

アンドリュー・ワイエス 『クリスティーナの世界』

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大草原の中にいる女性はどうしたのだろうか…。髪が乱れ、腕と足の細さに気づく。少し先にある家を目指しているようだ。実は小児麻痺が原因で歩行ができず、かわいそうなことにこの大草原を這っているのだ。彼女の細い腕にある、数え切れない生きてきた皺に、心から感動してしまう。
彼女の名前はクリスティーナ。アメリカ最北端、メーン州の漁村・クーシングで生まれ、この寒い土地で、一生を過ごした。料理と、9月には初霜が降りるこの場所で、ストーブにマキを入れ続けることだけが、彼女の仕事であった。
それでもクリスティーナは、小さいことに喜びを感じ、たくましく、そしてつつましやかに生きた女性である。この時も、近くにある家族の墓地へ祈りに行った後、丘の上にある自宅に戻る途中であった。家までどのくらいかかるのだろうか…。
そんな彼女の家に、毎年夏になると避暑のためにやってくる画家がいた。
アンドリュー・ワイエスである。彼は、クリスティーナの家の2階をアトリエとして借り、時々窓から、丘を昇り降りする彼女を見ていたのだろう。足の替わりに指先で、しっかりと大地を踏みしめている、懸命に生きる彼女の姿を。そして描いた作品が、この『クリスティーナの世界』である。
「アメリカの都会の孤独」を描いた画家として知られるのがホッパーだ。一方、荒涼とした大地の中で生きる「アメリカの田舎の孤独」を描いた画家がワイエスである。
大都会の華やかな雰囲気の中の孤独も寂しいが、見渡す限り、大草原の中での孤独はもっと寂しい。しかし、その中で、しっかりと生きれば、本当に怖いものは何もないのかもしれない。それが、クリスティーナだ。
彼女は車椅子の寄付を最後まで拒み、大地を這って生きぬいた。クリスティーナの一途さと、生まれ持ったものを素直に受け入れ、必死に生きる姿に、私もワイエス同様勇気をもらってしまう。
彼女は夏になると、この土地でとれたブルーベリーを使って、パイを焼くことが得意だったという。パイが焼き上がると、2階のアトリエで絵を描いているワイエスに声をかける。
きっと彼は、仕事が一段落すると、おいしそうな匂い感じながら、喜び弾んで、階段から降りてくるだろう。

☆アンドリュー・ワイエス『クリスティーナの世界』 1948年 テンペラ ニューヨーク近代美術館
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by van__gogh | 2007-06-16 21:47 | MoMA | Trackback | Comments(0)